退院支援・連携

退院支援で在宅チームを組むときの依頼のコツ|訪問診療・訪問看護・薬局・ケアマネに最初に伝える情報

公開|内容の確認:

対象:病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)・退院支援看護師、ケアマネジャーの方

前川 裕貴(脳神経内科専門医・頭痛専門医)

この記事の監修

前川 裕貴

脳神経内科専門医・頭痛専門医

荏原ホームケアクリニック 頭痛センター長

地域医療連携サービス「Med-Tasuki」開発者

日本内科学会 内科専門医日本神経学会 神経内科専門医日本頭痛学会 頭痛専門医難病指定医

Med-Tasuki(メドタスキ)は、監修者が開発した、在宅医療・介護の施設どうしが患者さんの受け入れをチャットで相談できる無料のサービスです。近くの施設へまとめて相談できる一括依頼も使えます。

ひとことで言うと

受け入れの可否は「住所」「医療処置」「退院日」でほぼ決まります。最初の連絡でこの3つを伝えると、断られる場合も早くわかり、次の候補にすぐ進めます。

自宅に退院する患者さんの受け入れ先探しでは、訪問診療・訪問看護・薬局・ケアマネジャーなど、複数の事業所に声をかける必要があります。電話がつながらない、条件が合わずに断られる、を繰り返して時間がかかることも少なくありません。この記事では、在宅チームの顔ぶれと、依頼のときに最初に伝えると話が早い情報をまとめます。

在宅チームの主な顔ぶれ

  • 訪問診療(在宅医):定期的な診療と急変時の対応。訪問看護指示書も作成します。
  • 訪問看護:医療処置、状態の観察、リハビリ、看取りの支援。
  • 薬局(在宅訪問に対応する薬局):お薬の配達、服薬の管理、医療用麻薬や注射薬・輸液への対応。
  • ケアマネジャー(居宅介護支援事業所):介護保険サービスのケアプランと、事業所との調整。
  • 訪問介護・訪問歯科・福祉用具など:暮らしと、口腔・飲み込みの支援。

介護保険をまだ申請していない方は、退院前に申請を進めておくと、退院直後から介護サービスを使いやすくなります。

依頼のときに最初に伝える情報

  • 住所(町名・丁目まで):訪問エリアに入るかの判断に使います
  • 病名と経過の概要、今後の見通し(治療を続けるのか、緩和ケアが中心か など)
  • 医療処置:在宅酸素、胃ろう・経鼻栄養、中心静脈栄養、尿道カテーテル、褥瘡の処置、吸引、医療用麻薬の使用 など
  • 退院予定日と、退院前カンファレンスの予定
  • 介護保険の認定の状況と、担当のケアマネジャーがいるか
  • 同居のご家族や、主に介護する方の状況

個人情報の扱い

最初の打診では、患者さんの氏名や番地までの住所は伝えず、受け入れが決まってから必要な情報をやりとりすると安全です。

前川 裕貴

医師のひとこと

前川 裕貴脳神経内科専門医・頭痛専門医

受け入れ先の探し直しで一番時間を取られるのは、最初の連絡で条件が伝わっていないことです。住所・医療処置・退院日の3つを最初に伝えるだけで、返事はずっと早くなります。

受け入れ先が見つかりにくいケース

医療用麻薬の注射や中心静脈栄養など、対応できる事業所が限られる医療処置があると、候補が絞られます。薬局も、無菌調剤や麻薬の取り扱いの体制が薬局ごとに違います。急ぐ場合は、条件を満たしそうな事業所に同時に打診し、返事の早いところから調整するのが現実的です。

情報のやりとりで気をつけること

FAXは誤送信の危険があり、送信先の番号の確認が欠かせません。患者さんの情報をやりとりするときは、送る情報を必要な範囲にとどめ、相手と連絡手段を決めておきましょう。

Med-Tasukiの一括依頼

Med-Tasukiの一括依頼では、患者さんの住所(町名まで)と必要な条件を入力すると、近い順に最大10件の施設へまとめて受け入れの相談が送られます。引き受けた施設とはそのままチャットで調整でき、書類はファイルで送れます(72時間で自動的に削除されます)。医療機関・介護事業所の方は無料で登録できます。

監修者のプロフィール

前川 裕貴(脳神経内科専門医・頭痛専門医)
前川 裕貴

Maekawa Hirotaka

脳神経内科専門医・頭痛専門医

地域医療連携サービス「Med-Tasuki」開発者

日本内科学会 内科専門医日本神経学会 神経内科専門医日本頭痛学会 頭痛専門医難病指定医

脳神経内科専門医・頭痛専門医。東京大学医学部附属病院 脳神経内科で診療に従事したのち、訪問診療を行う荏原ホームケアクリニックで頭痛センター長を務める。在宅医療の現場で、患者さんの受け入れ先を探す連絡が今も電話とFAXに頼っていることに課題を感じ、施設どうしがつながる地域医療連携サービス「Med-Tasuki(メドタスキ)」を自ら開発した。

2012〜2018年順天堂大学 医学部 医学科
2018〜2020年東京逓信病院 初期臨床研修
2020〜2023年東京大学医学部附属病院 脳神経内科 特任臨床医
2023年〜埼玉精神神経センター 頭痛専門外来
荏原ホームケアクリニック 頭痛センター長
昭和医科大学 脳神経内科 客員講師
2025年〜株式会社Iris Wellness設立

在宅医療は、ひとつの施設だけでは完結しません。顔の見える連携を、もっと速く、もっと気軽に。現場の「困った」を減らすために、医師として、開発者として取り組んでいます。

Med-Tasukiを開発した理由を読む

医療機関・介護事業所の方へ

受け入れの相談を、電話とFAXからチャットへ

Med-Tasuki(メドタスキ)は、在宅医療・介護の施設どうしが患者さんの受け入れをチャットで相談できる無料のサービスです。近くの施設へまとめて相談できる一括依頼も使えます。

監修:前川 裕貴脳神経内科専門医・頭痛専門医)/この記事は情報提供を目的としたもので、診断・治療を行うものではありません。受け入れの状況や費用は各施設に、治療の判断は主治医にご相談ください。